<あぁ!ドラッグができない!>
パソコンにも少し慣れてきた頃、ドロップアンドドラッグを覚えた。
その頃まだマウスパッドを使っていなかった。
好きな所まで画面を引っ張っていくのがおもしろくて遊んでいた。
ところがもう少しという所でマウスのコードが一杯になった。
どうしようかとしばらく思案していたのだがどうにもならない。
不自然な姿勢で空いている左手でサポートセンターへ電話した。
一日に何度もかけるのでとうとう声で名前を覚えて貰った。
切羽詰った声なのですぐ担当の人が出てくれた。
「今日はどうしました?」
「ドラッグしているのですがもうちょっとという所で届かない!」
と言うと「どうして届かないのですか」と言う。
私は必死でマウスを押さえながら説明をした。
「それじゃ、一度マウスを上に上げましょう」と言うではないか。
そんな事できない。 折角ここまで引っ張ってきたのに。
だってドラッグしているのだからしっかり押さえているではないか。
そう言うと相手は笑いながら
「それじゃ、まず左側の指を離しましょう。大丈夫ですから」
と言う。 私は恐る恐る指を離した。
画面はそこで静止している。 なんとなくホッとした。
「次にマウスをそのまま上に上げて手前に持ってきましょう。
これで次のする事はわかりますね」
そうです。ポインターの位置とマウスの位置は関係なかったのです。
その間、数分のやりとりでした。
あぁ!ヤレヤレ!
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「もどる」
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